今回は、焼成中にエラーが出てしまった時のことを紹介します。
つい1週間前の出来事です。
記憶が鮮明なうちに、忘れないように記録の意味も込めて…
焼成トラブルで、一番不気味なトラブルです。
不気味というには理由があります。
いつ何時それが起こるか分からないからです。
もうすぐ来るかも?という大雑把な予測はできるのですが、次の焼成だ!とか、この1週間の間に?とか、確定的な予測は全く不可能なんです。
それでも、焼成はし続けなければなりません。
特に、ポーセラーツ教室をしている先生方にとっては、「生徒さまの作品の時には起こらないでほしい!」と祈っていることと思います。
私も、もちろんそうでした。
が、先日、ついに。その電気炉大災害が私のところにもやってきました。
その日、ちょっと楽しいことがあって上機嫌だった私。
焼成できたかな?今、何度かな?と、鼻歌交じりに電気炉を見ると、エラーの表示。
これが、よく聞く「デンキロガコワレタ」ということか…と愕然としました。
実は、そのとき焼成していたのはすべて生徒さまの作品たちだったのです。
分かっていれば、私の作品を入れたのに…
分かっていなかったので仕方がない…わざとではないので仕方がない…
上機嫌はどこへやら…ガーンという効果音(昭和です)と共に悩みました。
生徒さまたちが丁寧に気持ちを込めて作られた作品なのにどのように対処したらいいのだろう?
そして、一刻も早く修理の依頼をしなくては!と、購入した日本ヴォーグ社に電話を掛けました。
修理には2パターンあります。
電気炉を運んで修理に出すか?
修理業者の方に来ていただいて修理をするか?
私の周りの先生方は、修理に出す方を選択した方ばかりだったので、私もそちらを選択しました。
年末年始を挟むので、年明けに運び出して、そこから10日ほどで修理が終わると言われました。
つまり、およそ3週間、電気炉が使えないということです。
それは困った。でも仕方がない。誰も悪くない。不可抗力。
逆手にとって、3週間はポーセラーツ以外のことを楽しもう!としばらく悩んで気持ちを切り替えたころ、ヴォーグ社から再び連絡がありました。
「明日、ちょうど大阪に行きます。ついでに伺うことができます」と。
これはもう、答えは決まっています。
「ぜひ、お願いします」
嬉しくて有難くて、その電話で何度お礼を言ったか分かりません。
そして、電気炉が壊れた次の日、我が家にヒーローがやって来ました。
寒い日でしたし、もう外は暗かったのですが、電気炉を置いているベランダで黙々と作業をしてくださいました。
いろいろな修理道具を華麗に操りながら、テキパキと手際よく修理してくださいました。
切れた伝熱線の修理だけでなく、庫内のメンテナンスまで!
3週間後になると思っていた次の焼成は、3日後には再開することができました。
そして、なんといっても安心したのは、中の作品がどれもきれいに焼成できたことです。
故障した時点で670℃まで上がっていたのが幸いだったのかもしれません。
扉を開けるのが怖くて、修理に来てくださって初めて扉を開けて中の作品を見ました。
修理前に出したときには怖くて触れませんでしたが、見た感じだと、転写紙はきれいに美しい色で定着していました。
その後、改めて800℃で焼成しました。
雨降って地固まる?
災い転じて福となす?
久しぶりに感情が忙しい数日間でした。
ヴォーグ社の親切な対応には本当に感謝しています。
そのことも、ここで伝えたかったことの一つです。
私の電気炉の焼成回数は600回ほどだったそうです。
そのくらいを目安に、伝熱線が切れることが多いです。とのことでした。
今回のことを経験して、生徒さまにはこのようなこともあり得ます…と普段からお伝えしておこうと思いました。
一つ経験値が上がったな…とポジティブに。
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